inertialの日記

核融合が専門だった社会人の日々の日記

SEKAI NO OWARIから見る理系イメージ

ミーハーな私はSEKAI NO OWARIがビミョーに好きです。
先週、ツタヤでセカオワの新アルバム「Tree」を借りて、ずっと電車の中とかで聞いてます。

 

Tree(初回限定盤CD+DVD)

Tree(初回限定盤CD+DVD)

 

 

Tree(通常盤)

Tree(通常盤)

 

 

その中でメロディ的にも詩的にも一曲頭に残ってる曲があります。
「Death Disco」
です。

「Tree」の中で唯一、ダークなメロディです。
歌詞は、まぁ、セカオワの世界観全開ですね。
「君が思ってる正義は本当に正しいの?」みたいなことを問いかけています。


私が印象に残ってる歌詞ですが、

以下引用です。
『クエスチョン

君に神はいない
つまり無神論
目に見えるモノしか信じない主義
神の起こす奇跡など、君にとっちゃファンタジーの世界
でも、君は信じてる
宇宙があると君は信じてる
見たことないし、行ったことないけど君は「宇宙」を夢見てる
科学者たちを信じてる
科学的に証明されたものは「真実」
だと君は思っている

なんで?
「なんでってそりゃあ」
君は何を信じてる?
クエスチョン 』
引用ここまで。

という部分です。

確かに、宇宙って行ったことないし、見たことないって言われたら、見たことない気がする……
同じように、知識として知ってるけど、実際に見たことないものってたくさんありますよね。

 原子、電子、素粒子とか超ミクロな世界
惑星とか銀河系とか超マクロな世界
ビックバンとか地球生誕とか大昔な話
歴史でも織田信長に会った人はいないし……(子孫はいるけど)

自分の専門分野でも確かめたことって少ないですね。
レーザーのパルス幅10 nsって言うけど、本当?
この金属、鉄って書いてあるけど、本当?
論文から引用してるこの理論って本当?
とか。
(書いてて思いましたが、こんな質問をいつもされてるな~と)

 

話を戻して、この「Death Disco」の「科学者」ってのは理系科学者を指してると思います。そして、(この言い方は非常に嫌ですが)一般人はこの「科学者」に言ってることを盲目に信じています。これが、セカオワが伝えたいメッセージかな?
しかし、実際には、(故意、過失どっちでも)科学者は間違うし、疑うべきです。

本来、科学というものは事実・真実が移り変わっていく世界です。
昨日正しかったものが今日は間違い。去年間違いだったものが今年は正しい。
理系の世界に身を少しでも置いた人は、このことを感覚で分かっています。

一方、高校までの科学教育で終わってしまうと、答えが一つしかない世界で終わってしまいます。こうして多くの日本人は科学には答えが一つしかなく、それが正しいのだと思ってしまいます。「Death Disco」みたいになっちゃいます。

これが、どんな問題につながるかというと、
STAP細胞であり、
エセ科学であり、
福島第一原発事故における放射線への反応なのだと思います。

まだ確かではない事象を科学者に説明を求め、間違っていたら、叩く。
この流れが上の共通点です。

上の問題に理性的に対応するためには、

本来、科学というものは事実・真実が移り変わっていく世界です。
昨日正しかったものが今日は間違い。去年間違いだったものが今年は正しい。

ということをしっかりと理解する必要があると思います。

私の考えを少しでも理解してもらえれば幸いです。

 

このブログを書く上で、

ニセ科学をバカにする前に ~科学という名の宗教~ - 雪見、月見、花見。

を参考にさせていただきました。
ありがとうございます。

核融合エネルギーの夢

イスラム国に日本人が人質に取られ、フランスでテロが起き、非常にきな臭い世界情勢なっています。これらの事件の背景は、民族、宗教、格差、貧困などを主として、様々な問題が複雑に絡み合っています。
民族・宗教対立、格差是正、貧困撲滅などはそれぞれ単体の問題としても、解決が非常に困難な問題です。当然、それらが合わさって起こるテロというものも、解決の糸口すら掴めていません。

ここからが本題で、その解決策として私が考えているのは「核融合発電の実現」だと考えています。

 

私が考える核融合発電のメリットは大きく3つあります。

1.海が燃料となり、世界のどこでもいつまでも安価なエネルギー源になりうること。
2.既存の原発のように、何万年の管理が必要な高レベル放射性廃棄物を出さないこと。
3.核融合炉の暴走が原理的に起こらないこと。

この3つです。

(CO2を出さないというメリットもありますが、私は地球温暖化について懐疑派なので、スルーしちゃいます。)

1について
核融合発電のエネルギーとなるのは、水素の同位体である重水素(D)とトリチウム/三重水素(T)です。まぁ、つまり水素です。
水素は水(H2O)に含まれており、その水素の一部は重水素トリチウムです。これらを取り出すことが出来れば、世界中の水つまり海がエネルギー源になるわけです!

おおよそ、1立方メートル(1000L)の水で石油タンカー一台分のエネルギーを生み出せると言われています。

しかし、実際問題としては水からどうやって重水素トリチウムを取り出すねん?という大きな課題が残っているわけですが……

2について

既存の原発から発生する放射性廃棄物は数万年単位で時間を置かなければ、人間にとって無害なレベルにはなりません。一方、核融合発電でも放射性廃棄物廃棄物は出ますが、せいぜい数十年で無害になります。

3について

既存の原発は、核分裂を利用しています。連鎖的な核分裂反応を制御することでエネルギーを取り出しています。この制御という部分が重要で、もし事故が発生して人間の手で制御できなくなったとき、核分裂炉は暴走してしまいます。この実際の例が、チェルノブイリであり、スリーマイルであり、フクシマです。

核融合発電では、当然核分裂反応を利用します。燃料を超高温高密度にし、無理やりエネルギーを取り出します。今度は、無理やりという部分が重要です。フクシマのような事故が発生し、核融合炉が人間の手から離れたとします。すると、核融合炉は暴走するのではなく、反応が収束します。

このように核融合は原理的に暴走しないのです。

 

この中の1番目のメリットがテロを根絶するのではないかと思います。

核融合発電が実現し、世界中で安価なエネルギー源を得る。

貧困が減る。
石油がいらなくなるので、欧米が中東に首を突っ込まなくなる。

世界平和!

みたいな感じで(笑)

 

まぁ、こんな未来が待ってると信じて、核融合研究を続けてるわけです。
頑張ります!

最後は自分で決める

私は工学系の専攻に所属しているので、採用活動の一環でくる会社の方もメーカーが一番多いです。当然ですね。
毎週、事務から求人票なるものがメールで送られてくるようになったんですが、そのリストにある会社もメーカーばっかですね。
メーカー以外でもインフラ系技術職とかで、理系が就くような業種ばかりです。

私が所属してるわけではないですが、
東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻は9割弱
(http://www2.mech.t.u-tokyo.ac.jp/pdf/mech_pamphleta_2014.pdf から引用)
東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻は4割弱
(http://www.ap.t.u-tokyo.ac.jp/graduate/course.html から引用)
が機械、化学、材料、インフラ、IT系などに就職しています。
物理工学の方が少ないのは大学に就職、つまり、研究者になった方が機械工学よりも多いからだと思われます。
ちなみに、理系の就職先はHPで公表されてるとこが多いので、興味のある大学の専攻HPを覗くのは楽しいですよ(笑)


で、私の話に戻りますが、私の専攻も同じような会社に同じような感じで就職しています。私も同じようなところに結局就職するのかなと感じています。
でも、そんな風に流される自分が嫌で就活ではなるべくたくさんの会社を見ることに決めています。

最終的には、理系的な業種に就職する予感がしていますが、流されて入るのではなく、自分からその会社に決めて入りたいと思っています。

研究の闇みたいなもの

どんな研究も軍事転用が出来ます。
インターネットもGPSもはじめは軍事研究だったそうですし、私が研究している核融合も水爆と原理は一緒ですし……

東大が以下のような発表をしました。

東京大学における軍事研究の禁止について | お知らせ | 東京大学

―――追記
リンクが外れてたのでリンクの張りなおして、全文のコピペを載せておきます。

>>東京大学における軍事研究の禁止について [その他] (広報室)
2015年01月16日掲載
 学術における軍事研究の禁止は、政府見解にも示されているような第二次世界大戦の惨禍への反省を踏まえて、東京大学評議会での総長発言を通じて引き継がれてきた、東京大学の教育研究のもっとも重要な基本原則の一つである。この原理は、「世界の公共性に奉仕する大学」たらんことを目指す東京大学憲章によっても裏打ちされている。
 日本国民の安心と安全に、東京大学も大きな責任を持つことは言うまでもない。そして、その責任は、何よりも、世界の知との自由闊達な交流を通じた学術の発展によってこそ達成しうるものである。軍事研究がそうした開かれた自由な知の交流の障害となることは回避されるべきである。
 軍事研究の意味合いは曖昧であり、防御目的であれば許容されるべきであるという考え方や、攻撃目的と防御目的との区別は困難であるとの考え方もありうる。また、過去の評議会での議論でも出されているように、学問研究はその扱い方によって平和目的にも軍事目的にも利用される可能性(両義性:デュアル・ユース)が、本質的に存在する。実際に、現代において、東京大学での研究成果について、デュアル・ユースの可能性は高まっていると考えられる。
 このような状況を考慮すれば、東京大学における軍事研究の禁止の原則について一般的に論じるだけでなく、世界の知との自由闊達な交流こそがもっとも国民の安心と安全に寄与しうるという基本認識を前提とし、そのために研究成果の公開性が大学の学術の根幹をなすことを踏まえつつ、具体的な個々の場面での適切なデュアル・ユースのあり方を丁寧に議論し対応していくことが必要であると考える。

平成27年1月16日
東京大学総長 濱田 純一

―――追記終了 2015/12/3

 正直、この発表の真意は分かりませんが、軍事研究というものを考える良いきっかけではないかな~って思います。

先ほど書いた通り、核融合発電と水素爆弾に使われてる原理は一緒です。
水素の同位体である重水素(D)とトリチウム/三重水素(T)を核反応させて、エネルギーを取り出すわけです。

 日本で行われてる核融合の研究は当然、核融合発電を目指しており、軍事研究の側面はありません。
しかし、アメリカは違います。アメリカで核融合の研究をしてる代表的な施設の一つがローレンス・リバモア国立研究所にあるNational Ignition Facility:NIFという施設です。ローレンス・リバモア国立研究所核兵器の開発を目的として、設立され、現在はアメリカのエネルギー省の管轄になっているそうです。

現在のNIFの研究は核融合発電の実現を目指しています。また、最先端の知見を共有するために日本とアメリカは協力関係にあります。

 何が言いたいかというと、日本もアメリカも建前は核融合発電という原子力の平和利用を目指していますが、本当はどうなんだろうと思ってしまうところもあります。
誤解しないで欲しいのは、私自身はこの建前は本物だと思っています。つまり、アメリカも日本も平和利用のために研究をしていると思います。

しかし、核融合というものは軍事に転用できてしまう危険性を他の研究よりも多く孕んでいること自覚しなければならないなぁ~とも思います。


はじめの東大の話に戻ると、
研究内容が一気に軍事的になるとかはないですし、というか今までの研究でも軍事に応用されてるものはなんぼでもあると思います。ただ、軍事研究だとお金がつきやすかったりするでしょうし、お金のためにそのような研究をする人もいるでしょう。
だからといって、研究をやめるのは難しいですから、研究する側はそのようなケースも想定しつつ、研究をすべきだと思います。

 

結論
研究倫理・工学倫理に軍事研究の項目も入れるべきだ!
(STAP細胞のおかげで、捏造・引用に関する注意喚起はとても進んだと思います笑)

就職活動の始まり

2015年が始まって、もう2週間近く経ちました。
去年やり残していた研究活動に本腰を入れないと思い始めた今日このごろです。

研究活動自身もしんどいし、嫌になる時も多いんですが、
今一番気を揉んでいるのは就職活動です。

私の代から就活開始時期が遅くなります。

具体的には、(2015年1/13時点)
2015卒(現学部4回生、修士2回生)は2013年12月から選考活動開始だったのが、
2016卒(現学部3回生、修士1回生)は2015年3月から選考活動開始になります。

学生に活動(勉強、留学、研究など)に専念してもらうのが目的なんですけど、
正直うまく機能していないと思います。

選考活動の開始時期はあくまで経団連が言っていることなので、
中小企業やITなどのベンチャー企業、外資企業は関係なく始めてますね。

実際、私が登録している就活関連のサイトから「1月から選考開始です!」みたいなメールが何通か届いてますし……
経団連に所属している企業も「業界セミナー」とか言って動き始めてますしね。

 

さて、私自身の話をすると、
正直、どこそこの会社に行きたい!という考えが弱いので、
手当たり次第、企業を見て回ってます。
メーカーはもちろん、商社系もマスコミ系も興味あるとこはとりあえず足を運んでます。

このメーカーに行きたいとかがあれば、理系の場合、割と情報は得やすいから楽なんでしょうけど……
専攻の教務からの情報とかOB・OG訪問(いわゆるリクルーターって奴)とか。

ちなみに、この三連休に行ってきたのはマスコミ系S。
一番印象的だったのは「服装自由」なのに、スーツ姿が8割超えていたこと。
あと、理系のセミナーに比べてたら当然なんですが、女性が多かった(笑)

やはり、文系な職業なので理系の人は少なかったようです。
だからこそ逆に理系のレアさを活かせれれば、就活もうまくいくかもって思いました。

しかし、そのマスコミ系Sに行かないですね。
自分的には、「より正しい科学報道」ができたらいいな~と思っているんですが、
必ずしも科学関係の部署に配属されるわけではないんで。
(希望は聞いてもらえますが……)

我ながら、ちょっとワガママですね。


もし、マスコミ関係かつ科学関係の話題を取り扱えそうなとこがあれば、
絶対に顔だすつもりですけどねっ!