inertialの日記

核融合が専門だった社会人の日々の日記

ドクターに進むということ

ちょっと前に、「学生」と「生徒」を混同しているレポートを授業で読んでいました。
私はこれらの言葉の違いについて知らなかったですが、本当はちゃんと区別されるらしいです。(先生に指摘されました……細かい……)

正確には
生徒は、中学生と高校生
学生は、大学生
のことを指すらしいです。(ちなみに小学生は児童)

普段からこういう使い分けをする人は少ないと思うのですが、言葉の定義はしっかりしておいた方がいいですよね~。
私も「核融合」と「核分裂」を混同されていたら指摘しちゃうと思います。

 

さっき書いた大学生の中にも大きく分けて3種類の学生が存在しますよね。
学士(普通に大学生と言ったらここを指しますね。)
修士(マスターです。理系の多くはここで卒業ですね。)
博士(いわゆるドクターです。今回はここについて書きます。)
の3つです。

文系は学部(学士)で、理系は修士で卒業する方が多いですね。
ただ、大学に残って研究したいという熱意のある人はドクター(博士)まで行く人も少なからず居ます。

たまたま私の周りではドクターまで進んでる人が多く、ちゃんと数えたら二桁くらいいそうです。私の主観ですが、一つの研究室に数人いれば多い気もしますね。

 

ドクターの多い環境にいますと、ドクターならではの悩みも聞こえてくるわけです。
「お金がない。」「将来が不安だ。」「研究は進むのだろうか。」などでしょうか。

これだけを聞くと、一般の大学生(学士や修士)と悩んでることは一緒に見えますが、実際はもっと深刻な悩みだと思います。

まず、「お金がない。」
飛び級などをしていなければ、ドクター1回生の時の年齢は若くても25歳です。
同じ25歳を眺めると早ければ、学部卒は社会人三年目、高卒だと社会人7年目になっており、一人前の社会人に成長している時期です。つまり、同期は働いているとはいえ年数百万円をもらっているのです。
同期と比べるとドクターという学生の身分は金銭的に辛いです。
学振と呼ばれる月20万(額面かつボーナス無し)の給付金を支給する制度はありますが、この制度を利用できるのはドクターの三割程度です。また、ドクターは学生ではありますが、やっていることは普通の社会人以上のことをこなしているので、月20万は少ないと個人的には思います。

次に「将来が不安だ。」
ドクターに進む多くの方はアカデミックの世界に残る。大学などで教員として研究員として働きたいと思っています。ただ、教員や研究員のポストは少なく、ドクター全員がなれるわけではありません。
だからと言って、一般企業にもなかなか入りづらいようです。

最後に「研究は進むだろうか。」
ドクターが何で評価されるかというと、研究成果です。何本論文を出したか、学会にどれだけ参加したかなどが量・質ともに問われるわけです。上で上げた問題も、成果があれば解決できることも多いです。

 

これらを考えると、ドクターもしくは将来のドクターになるような人をもっと応援するべきだと思うのです。社会的に。